近年「和室は必要無い」と、おうちを建てる際に和室を作らないご家庭も増えています。
しかし、洋室とは別空間の日本風の部屋が一つあると少し気分も変わったり、客間として使うためにあえて和室を作るという方もいるでしょう。
しわがなくピンっと張った障子は部屋の雰囲気も変えてくれて、カーテンの代わりにもなるので便利ですよね。
ただ、小さなお子様がいるとちょっとした表紙に障子が破けてしまったり、いたずらで穴を開けてしまったりすることもしばしば。
皆さんは、そんな障子の正しい張替え方を知っていますか?
今回は、障子の正しい張替え方についてご紹介します。
障子には正しい向きがある
障子に、正しくはめる向きがあるのをご存じでしょうか?
知らずに間違った向きで障子をはめてしまうと来客があったときに恥をかいてしまうので注意が必要です。
障子の向きは着物の合わせ方と同じ
どういう意味かというと、【外から見た障子が着物の襟の合わせ方と同じになる向きに揃える】ということです。
一般的に、窓やふすまも同じく着物の襟の合わせ方と同じ向きに揃えてあります。
2枚の障子を引き戸のように互い違いに取り付ける場合、向きの基準は外から見た障子が基本なので左側の障子が外側、右側の障子が内側(お部屋側)になっている障子が正しい取り付け方になります。
障子には表裏がある
向きの他に気を付けなければならないのが表裏です。
障子の表側は【木枠がむき出しになっている方】で、裏側は【障子のみが見える方】になります。
取り付け方は表側がお部屋側、裏側が外に向くように取り付けましょう。
障子紙にも向きがある
障子の向きについて前述しましたが、実は張り替える障子紙にも向きがあります。
障子紙は手で触ったときの感触で表裏を確かめられます。
【表側】ざらざら
【裏側】つるつる
上記の感触を頼りに表裏に気を付けて、張り替えるときは【ざらざらしている方】を木枠側にして貼り付けましょう。
基本的に障子紙はざらざらした面が外側になったロール紙で販売されていることがほとんどです。
張り替えるときもロール紙を転がしながら張り付けていくため、正しい向きで張り替えられるようになっていますが念のため注意しておきましょう。
間違った向きで張ってしまうとどうなる?
基本的には正しい向き、というよりはそのおうちの動線や構造に合わせて裏表を決めて張り替えてもらって問題ありません。
ただし、間違った向きで張り替えてしまうと窓に結露が発生しやすくなり、障子が持つ本来の性能を発揮できなくなってしまうリスクがあります。
海外でも使用されている
お隣中国でも実は障子が使用されています。
障子紙の表裏は日本と同じ張り型ですが、障子本体の取り付け方が日本とは真逆です。
なので、表側が部屋の外向きに、裏側が部屋の中側になるように取り付けます。
理由は諸説あるようですが、中国では家の外側の見栄えを重視する傾向にあるようです。
日本は武士の歴史が長く続いたため、警戒心が強く部屋の外側は目立たないようにしていたという話もあります。
正しい障子の張り方は?
それでは、さっそく障子を張り替えていきましょう!
障子の張替えに必要な道具
・障子紙
・障子紙はがし剤
・障子用両面テープ(または障子用のり)
・障子紙用カッター
・障子紙用カット定規
・スポンジ
・はがし用ヘラ
1.障子を外す
障子紙をはがす作業が発生するのでまずは、障子自体を取り外しましょう。
小さい子供たちがいるご家庭では、この時だけは障子に穴を開け放題になるのでお手伝いも兼ねて好きにさせてみてはいかがでしょうか?
2.古い障子紙をはがす
簡単なのは障子はがし材ですが、ご家庭にあるもので障子をはがしたい場合は水を付けたハケで3~5分放置した後ゆっくりとはがしていく方法や、アイロン貼りの場合は障子紙の端からアイロンを当てて熱いうちにゆっくりとはがしていきます。
全体的に障子がはがし終わったら、桟に残った障子をスポンジなどを使ってきれいに取り除き、桟に水分が残らないように乾燥させていきます。
古い障子や桟に水分が残ったままになっていると新しい障子をきれいに張り替えることができないので注意が必要です。
どうしても古い障子が残ってしまって取り除くことが難しい場合はサンドペーパー【#200前後】で削り落とし削りカスをしっかりと取り除きます。
3.障子紙を貼る位置を決める
障子紙に巻き癖がついてしまっている場合は平らになるように逆向きに一度巻くか、平らになるよう慣らしておきましょう。
しっかりと乾燥させた桟を平らな場所に置き桟の状態を確認します。
最上端の桟に、障子紙をテープで1箇所だけ止めて固定します。(マスキングテープを使うと跡が残りづらいのでお勧めです。)
障子紙を障子の3分の1~3分の2程広げます。
4.桟に両面テープまたは糊を貼る
【両面テープを使う場合】
最初に縦の桟に両面テープをすべて張り、張り終わったら横の桟にも両面テープを貼っていきます。
障子の枠の部分に段差(紙じゃくり)がある場合はその段差部分に両面テープを貼っていきます。
【専用のりを使う場合】
トレイにのりを出し、水で伸ばしてから桟に薄く延ばしていきます。
※チューブタイプののりもあるので、どちらか使いやすい方を選んで使用してください。
5.障子を貼る
【両面テープ・のりを使って貼る場合】
最上端の桟から順番に、横向きの両面テープをはがし、障子紙をゆっくり転がします。
障子にしわが出ないようにゆっくりと障子紙を張りながら1段ずつ注意して貼っていきます。
【アイロンを使う場合】
表裏や向きに注意して、障子紙を障子に広げ最上端からゆっくりと桟の上をアイロンで熱していきます。
6.仕上げ
障子を貼り終えたら中心から外側に向かって桟全体を指でしっかりと抑えていきます。
枠からはみ出た障子は、障子紙専用の定規とを使ってカットします。
余分な障子紙をすべてカットしたら張替えは完了です。
障子の向きに気を付けながら着物の合わせ方と同じように障子もはめていきましょう。
(取り付けに悩んだらご自宅の窓で、外側と内側に来る向きを確認するとわかりやすいです!)
まとめ
障子の張替えは手順が多かったり、気を付けなければならないことも多いので、自分たちでやるにはちょっと面倒だなと思う人も多いと思います。
実は障子の張替えもお掃除業者によってはやってくれるところもあるのをご存じでしたか?
料金はかかりますが、もう自分では張替えが難しかったり億劫だと感じたら是非、障子の張替えもお願いしてみてはいかがでしょうか。